コラム パーツとツールの達人

第1回 規格について

今回より、この千石電商ホームページで電子パーツや工具類、そして電子工作などについての情報をコラム形式で定期的に紹介していくことになりました。そのときのテーマによってはその分野全体を、またあるときは製品単体について考察していきます。また、できる限りの資料を同時に掲載することで、読み物としてだけでなく、保存的な資料として活用できるコーナーになればと考えています。そこで第一回は、電子工作を行うにはもちろん、資料を読むにも基本となる「規格」について考えていきましょう。

・お約束事が規格

電子工作は、さまざまなお約束の上に成り立っています。例えば単三型の乾電池は、どこでどのメーカーの製品を買ったとしても、いずれも公称電圧は1.5Vであり、高さは約50.5mm、直径は約14.5mmのものが入手できます。もちろん国や地域によって呼び名が変わる場合もありますし、製品によって使用可能な時間や初期電圧などに多少の差はありますが、基本的にはいずれも同じように電気を供給します。これは、単三型の乾電池はこのような形状とサイズで、このような電圧を供給するという「お約束」があるためです。このような約束事を、通常は『規格』と呼んでいます。そしてその規格としてまとめる作業を、「標準化」といいます。

このような規格も公に認められ、そして周知徹底されなければまったく意味がありません。そこでこのような規格をまとめ、保管する組織が必要になります。そしてその役目を担なっているのが、我が国ではおなじみのJIS(Japanese Industrial Standards:日本工業規格)になるわけです。厳密に言えば、JIS規格自体を管理しているのは経済産業省所管の公益法人であるJSA(Japanese Standards Association:日本規格協会)であり、その中でも工業分野においてはJISC(Japanese Industrial Standards Committee:日本工業標準調査会)によって調査や審査が行われているので、組織という意味では、このJISCを指すことになるでしょう。

この規格としてのJISは名前を見てもわかるように、あくまでも日本国内で通用する規格であり、世界的に見たら単なる一国の独自規格にしか過ぎません。同じような組織に、パーツなどの世界でよく名前が登場するDIN(Deutsches Institut fur Normung:ドイツ規格協会)、ANSI(American National Standards Institute:米国規格協会)、BSI(British Standards Institution:英国規格協会)などがありますが、いずれもその国内の規格を管理するために設立された組織です。

そこで国際的な規格を定める組織として、ISO(International Organization for Standardization:国際標準化機構)が設立され、各国から1組織ずつがこれに加盟して世界的に規格を管理するようになりました。そしてそのISOに加盟してるのが、日本ではJISCになります。またDIN、ANSI、BSIなど各国の規格管理組織もこれに加盟しており、多くの規格は国内規格であると同時に、国際規格としても通用するように標準化されています。そして我々は、このような規格に沿った製品を選ぶことで、安心して電子工作を行うことができるというわけです。

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