コラム パーツとツールの達人

第2回 規格について その2

前回は規格とはどういうものかということと、その規格を策定してる組織についてお話をしました。しかし規格とは技術者が見るものであり、一般にはあまり関係ないと思っている人も少なくないと思います。そこで今回は、いくつかの規格を例に挙げ、規格というものをもう少し掘り下げてみましょう。

・電池規格の実際

さて、前回はかなり大雑把に電池規格の例を紹介しましたが、今回はもう少し詳しく見ていきましょう。

まず前回の例でも挙げた乾電池ですが、単三タイプの場合、米国では「AA」、ヨーロッパ圏では「mignon」と呼ばれるのが一般的です。ただ、規格としての正式名称はアルカリ単三乾電池は「LR6」、マンガンタイプの006P乾電池なら「6F22」となります。各国での呼び名については、海外在住経験があったり、輸入品の機器を使用する人などであれば聞いたことがあるという人も多いでしょう。でも正式名称については、ほとんどの人は、そんな呼び名など聞いたことがないというかもしれません。でも、試しに手元にある乾電池の注意書きなどの部分を読んでみてください。そこにはこのような正式な名称がちゃんと書かれているはずです。

乾電池の規格については、国内では「JIS C 8500」 、国際的には「IEC 60086」という規格にまとめられています。この規格によれば、積層数、電池の系統(マンガン電池とかアルカリ電池といった種別)、サイズ、グレードなどによって数字とアルファベットの組み合わせで表していくことになっています。つまり、正式な名称を見ることで、その電池の種別や形状などを説明書きを読まなくても判断できるようになっているわけです。

上記の例でいえばLR6は、

L  アルカリタイプの
R  円筒形電池で
6  6型サイズ(単三型)

となり、6F22では、

6  6層電池で
F  角形の
22 22型サイズ(006P)

と、規格を知ってる人なら瞬時にわかります。

ただ多くの人にとって、そのような文字と数字の羅列である正式名称はわかりにくいだけでなく、場合によっては暗号にしか見えないことでしょう。そこで一般的な呼称として単三乾電池などという呼び名が広く浸透していったわけです。

ただ、乾電池を使用する国内向け製品の説明書なら、「アルカリ単三電池を使用してください」と書くだけでいいのですが、海外向け製品の説明書や技術仕様書の場合はそうもいきません。国や地域ごとに別の書類を用意するのは面倒だし、なにより間違いの元になる可能性もあります。そのようなとき、規格上の正式名称が生きてくるのです。

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