コラム パーツとツールの達人

第2回 規格について その2

・規格を大いに利用しよう

最低限の情報とはいえ、規格を知ったところでなんの意味があるのかと考える人も居ると思います。でも、実際の規格は上記のように平易に構成されており、特殊な技術説明などの部分を除けば、ある程度の知識があれば十分理解できるようになっています。そしてその規格を知っていることで、無用なトラブルを回避できるのです。

例えば音楽の世界では、エレキギターやエフェクターをアンプなどと接続するケーブルのことを「シールド」と呼びます。これは信号線に1芯の導線を編組シールドで覆ったケーブルが使用されることからそう呼ばれるようになったわけですが、音楽関係に限ってもMIDIケーブルなどのように、シールドケーブルを使用した製品はほかにもあります。だからといって、これを「エレキギターとアンプを接続するケーブル」などと言っても長ったらしいだけで、不便なことこの上ありません。これまでの例でも紹介したように、それを利用する人の共通認識として理解されていれば、確かに名称は規格上の正式名称でなくても呼び名で十分なのです。

ところが、このシールドを、音楽を知らない業者に注文するとしたらどうでしょう。一般にシールドとは、電磁波や磁気などから防護する仕組みのことであり、例えそれがケーブルのことだとわかったとしても、シールドを持ったケーブルは編組み以外にも多々あります。そして、それに対応する端子もさまざまなものがあります。結局のところ、単にシールドをくれと言われても、それがどんなものなのかを理解できないのです。

しかし、編組みのシールドケーブルを使用し、2極のフォーンプラグが両端に付いたケーブルといえば、ケーブルを取り扱っている業者ならばすぐに理解できます。

ちなみにフォーンプラグは、電話交換機用の端子として開発されたものであり、「EIA 453」という規格になっています。2極のものをTSフォーン、ステレオタイプの3極のものをTSRフォーンと呼ぶこともあります。また標準型が6.3φ、ミニが3.5φ、マイクロが2.5φであることは、皆さんもご存じの通りです。

なお余談になりますが、音楽用のシールドに使用されるケーブルに規格名などを含めて言及しなかったのにはワケがあります。というのも、シールド用のケーブルは2極の標準型フォーンプラグが両端に付けられるということ以外に、これといった決まりがないようなのです。いろいろ調べたのですが、音にこだわりを持つ人が、さまざまなケーブルを使って実験した結果なのでしょうが、一般的な1芯編組みシールドケーブルだけでなく、2芯編組みシールドケーブルや2芯アルミシールドケーブルを使ったり、導線や被覆線の素材や太さなどにこだわった例など、さまざまなバリエーションがあります。また量販品だけでなく、有名ミュージシャンのモデル品や自作などまで含めると、それこそ星の数ほどの種類があるようです。

さて、前回に引き続いて、規格というものにスポットを当ててみました。というのも、今後さまざまな製品などを紹介する際の基本となる部分でもあるからです。まだまだ規格自体について説明不足な部分もありますが、あまり詳しく説明しようとすれば、それこそ1冊の本になってしまうくらいの文章量になってしまいます。したがって、あとは必要があれば今後の記事中、もしくはコラム的に紹介していきたいと考えています。そして次回は、ケーブルの基本となる「AWG」について紹介していくことにします。