コラム パーツとツールの達人

第3回 AWGって何?

皆さんは電子工作をするときの導線は、どのような基準で選んでいますか? 厳密に設計するのなら、そこに流れる電流の量を考慮し、太さや線の種類を決めていくことになります。そして、その太さの基準となるのが米国の規格である「AWG(American Wire Gauge)」です。従来、我が国では、より線の場合は断面積、単線の場合は断面の直径などで導線の太さを表すことがほとんどでした。しかし現在では、AWGによる表記が主流となりつつあります。そこで今回は、このAWGについて紹介していきましょう。

・JISでは断面積が標準

前回の規格の項でも紹介しましたが、我が国の工業規格はJISによって定められており、国内で販売される工業製品に関しては、それに準ずるのが基本となります。そしてJIS規格における導線の表示方法は、断面積を平方ミリ (sq)で表すことになっています。

このため、従来の導線は断面積による表示がほとんどであり、単線の場合には直径表示になっているものもありましたが、AWG表記になっているものは、基本的に輸入品くらいのものでした。ところが最近は、AWGによる表記になっている製品が急速に増えています。このため、古くからの電子工作ファンの間では、導線の太さがわかりにくくなったという声もよく聞かれます。

というのも、ご存じのように導線にはごくわずかながら抵抗があり、その抵抗による減衰や、抵抗に伴って発生する熱なども、回路設計には重要なポイントとなります。

その抵抗値は
導線素材の体積抵抗率×長さ÷断面積
で求めることができます。

つまり断面積で表示してある方が、抵抗値を求めやすく回路を設計するうえでも便利なのです。それに対して、AWGは番号で導線の太さを表します。そのため、番号に慣れなければ、直感的に導線を選択することができません。しかも我が国ではメートル法を採用しており、米国はインチ法になります。そのため、インチ法で定められたAWGの導線の直径をミリ表示にすると、かなり半端な数字になってしまい、計算も面倒です。もちろん換算表などを見れば、直径から断面積を計算し、抵抗値を割り出すこともできますし、インターネット上には親切な人が居て、換算表に直径だけでなく、抵抗値まで載った表を掲載している場合もあるので、実際に作業する際には、それらを参考にすれば、あまり面倒はないかもしれません。ただ、これまでのように瞬時に判断のしやすい断面積表記の方が便利だと思う人も多いことでしょう。実際に筆者も、正直、不便になったなと感じている一人です。

しかし現在では、規格はそれ単体では成り立ちません。数多くの規格が定められ、さまざまな規格の上に、さらに規格が成り立っているという状態です。そのためJISなどの規格書にも、対応する海外規格などの資料が付帯されているのが一般的になっています。そして、数ある規格団体の中でも、特にに影響力の大きな米国のANSI、TIA、EIAなどの規格にAWGが使用されていることから、世界的にAWG表記が主流となりつつあるのが現状なのです。

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