コラム パーツとツールの達人
第4回 電子工作の基礎、はんだの考察
電子工作に欠かせない工具といえば、真っ先に思い浮かべるのが「はんだゴテ」ではないでしょうか? 完成した電子回路を動作させるときよりも、はんだゴテを使い、パーツを取り付けていく行為自体に楽しさを感じる電子工作ファンも数多くいます。ただ最近は、鉛フリー問題があり、はんだを取り巻く状況も急激に変化しています。そこで今回は従来のはんだ及び、はんだゴテについての情報をまとめてみました。次回に紹介する鉛フリー問題についての理解を深めるため、基礎的な情報をおさらいしておきたかったからです。
今でこそ電子回路の製作に用いられるようになったはんだですが、従来は金属などを接合する技術として開発されました。古くは、紀元前3000年くらいから使われていたという記録もあるようです。現在でもステンドグラスの制作にははんだが用いられますが、このように何かと何かを接合する際に、接着剤的に用いられたのが始まりになります。
似たような技術に溶接があり、広義にははんだ付けも溶接の一種となります。ただ、一般に言うところの溶接とはんだが大きく異なるのは、接合する母材の一部を熱で溶かすことで、接合部に母材との合金を作り分子レベルで接合しているか否かという点になります。ご存じのように、はんだは非常に低温で溶ける金属です。つまり基本的にはんだの熱で母材が溶けることはなく、はんだの持つ接着効果と母材の微細な隙間に浸透する毛細管現象によって接合しているのです。そのため、強い力のかかる接合部分には、はんだ付けを用いることができないのです。
その後電気の時代に入り、部品と部品を接合する必要に迫られ、電気的にも優れた接合方法であるはんだ付けが一般にも用いられるようになったわけです。しかしながら、登場から5000年以上の時を超えても、はんだの素材は鉛と錫の合金であることなど、基本的な部分は大きく変化することなく、ごく最近まで至ったわけです。もちろん用途によって錫と鉛の比率を変えたり、微量の銀や金を混入した製品もありますが基本的な部分は変わることがありませんでした。しかし2006年にEUで施行されたRoHS指令(Restriction of Hazardous Substances:ローズ、ロース、ロス、ロハスなどと読む)によって鉛を含む製品のEU輸出が規制されたことにより、一気に鉛フリー化が進むことになります。
つまり今、はんだ付けは約5000年の歴史上、初めてといってもいいほどの大きな変革期を迎えたことになるのです。ただ、鉛フリーとはいっても、従来のはんだ技術の延長線上にあり、鉛フリーへのスムーズな移行を行うためには、従来の技術をある程度は理解しておく必要があるでしょう。







