コラム パーツとツールの達人
第4回 電子工作の基礎、はんだの考察
先にも書いたように、はんだはその接着効果と毛細管現象による浸透で接合します。そのため、十分にはんだが溶けていないと、その効果が発揮されません。また逆に、温度を上げすぎると酸化が進み、接着効果が弱まると同時に、導通不良などの原因になってしまいます。つまり、はんだは過不足無く加熱する必要があるわけです。過不足無く加熱されたはんだは液状になり、表面に光沢を持ちます。そして母材に付けると玉にならずにすーっと広がっていきます。このようになった状態をヌレといい、適度な流動性があるものをヌレがいいなどと表現します。つまりは、はんだ付けするポイントになじみやすい状態と理解すればいいと思います。
またはんだ付けする母材に関しても、接着性や浸透性を上げるために、表面の油膜や錆などを落とし、接合しやすい状態にしてやる必要があります。そこに油膜や錆があれば、当然のことながらはんだのヌレは悪くなります。そこで使用されるのがヤニやフラックス(融材)なのです。
ヤニとは、昔は松ヤニを使っていたのでその名残としての名称なのですが、つまりは松ヤニの主成分であるロジンを使用したものが主流となります。一般のはんだには中心にこのヤニ成分が詰まっており、はんだ付けを行うとこのヤニが流れ出して、母材の表面の油膜や微細な錆などを除去し、はんだのヌレ性を上げます。つまりヤニが溶け出すことで、自動的にフラックスの役割を果たしているのです。ただ、従来の松ヤニでは不純物も多く、残留成分と空気中の水分が結びつくことで強酸性の物質ができてしまい、それによってはんだ付け部分が腐食することがあります。そのため、現在では松ヤニはほとんど使われなくなり、ロジンを中心としたものに変わってきました。ただ、フラックスによってはロジンに微量のハロゲンや酸化物質を添加することによって、はんだのヌレ性をさらに向上させたものもあり、このようなフラックスでは、長期間の使用で若干の腐食が発生する場合もあります。
フラックスの瓶には、R、RMA、RAなどと表記がありますが、Rは無活性タイプで基本的に腐食などの心配はいりません。RMAは弱活性タイプで、ごくわずかながら腐食の不安はありますが、通常はほとんど気にする必要はありません。RAは活性タイプで、こちらは残留が気になる用途には使用しない方がいいでしょう。もちろんアルコール洗浄等を行えば、RAタイプを使っても残留物を洗い流すことはできるので、ヌレが悪いときにはRAタイプを使い、あとでアルコールで洗浄するというのもテクニックのひとつとなります。
なおはんだに無洗浄型と書いてあるのは、このヤニにRもしくはRMA型のヤニを使用しているということであり、アルコール洗浄は不要であるという意味になります。さらにヤニの入っていないタイプのはんだもありますが、これはよほどのこだわりがある人以外には、あまりお勧めできません。基本的にフラックス無しでのはんだ付けは、はんだ不良の原因となりやすいからです。







