コラム パーツとツールの達人

第7回 ACアダプタ

 ひとくちにACアダプタといっても、大きく分けて「AC-DC」タイプと「AC-AC」タイプの2種類があります。 ただ、一般的にAC-ACタイプのアダプタが使われることはかなりまれであり、通常はACアダプタと言えば、AC-DCタイプのことを指すのが一般的です。 つまり身の回りに多数あるACアダプタは、家庭用の商用電源から得られる交流を直流に変換し、電気・電子機器に供給するための機器と考えて、ほぼ間違いありません。 ただ、多数あるとはいっても、その大きさや形はさまざまであり、そこから供給される電圧も電流も、それぞれで大きく異なっています。 そのため現在では、機器の数だけACアダプタが身の回りに存在しています。

・ACアダプタの置き場所

現在、中小型の電気・電子機器類の多くがACアダプタを利用しています。これは電源回路を外部に持つことで、非常にコンパクトな製品が作れること、回路設計が容易になること、熱源となる電源部を分離できることなどのメリットがあるためです。

そこから得られる電力は機器の動作用としてだけでなく、充電用途にも使われることも多く、携帯型の機器が増えている現在では、ACアダプタは非常に身近な機器といえます。ただ、直流に変換するとはいっても、それを接続する側の機器によって求められる電圧も電流も大きく異なっています。そのため現在では、多種多様なACアダプタが部屋中に溢れることになってしまったのです。

最近の携帯電話で使用されるような、多少は小型でスタイリッシュなものも一部にはありますが、通常はずんぐりむっくりとした形状をしており、色も黒もしくはグレーといった、地味なものがほとんどです。そのため、いくつものACアダプタがコンセントにささっていると邪魔だし、なにより部屋の美観も損ねてしまいます。そこで、家具などの陰に隠したり、奥まった場所に押し込んで見えないようにする人も居るようですが、これは少々危険な行為といえます。

というのも、ACアダプタは商用電源から得られる電気を変換する際、いくらかの電力をロスしています。変換方式によって損失の度合いは変化しますが、どんなに効率のよい変換方法を用いたとしても、数パーセントのロスは防ぎようがありません。そしてその損失分を熱エネルギーとして放出しており、コンセントにささっているアダプタに手を触れると暖かいのは、そのためなのです。

密閉されているかのように見えるACアダプタも、実はその熱を空気中に逃がすように設計されています。したがってその熱を放出できない状態で使用すれば、内部にこもってしまい、故障や、最悪の場合には発火に至る危険があるというわけなのです。したがってACアダプタは、できるだけ風通しのいい場所で使用したいものです。配置の関係から家具の裏などになる場合も、ピッタリと家具をくっつけるのではなく、少しスペースを設けるなどして、空気中に熱を逃がす配慮が必要となるのです。

なお余談になりますが、最近のACアダプタは海外でも使用可能なように、入力電圧が100~240Vとなっているものが多々あります。この場合、コンセントの変換プラグなどを使用すれば海外旅行に持って行っても使用できるので非常に便利です。ただ筆者の経験によれば、国内で普通に使用しているACアダプタを海外の高圧の環境下で使用したとき、一部のACアダプタの発熱は非常にすさまじいものがありました。もちろん規定範囲内での使用であり、火傷するほどではありません。とはいえ、触れてみると使い捨てカイロよりも熱いくらいで、放熱を誤れば故障や発火をしかねないと不安になったものです。海外にモバイルPCなどを携行する機会も増えているので、現地の電源を利用するときは、ACアダプタの放熱と置き場所には十分注意した方がいいでしょう。

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